カテゴリー「書籍・雑誌」の記事

2009年2月21日 (土)

『なるほどナットク“自然現象”』

Vfmi1604 学習研究社 発行
 『なるほどナットク“自然現象” 2
   彗星・惑星・星の誕生 -星・宇宙の現象』
  監修:渡部潤一(国立天文台准教授)

   ISBN978-4-05-500619-4
   定価3000円(税別)

 国立天文台の渡部潤一先生が監修をつとめ、この2月に発行されたばかりの小中学校の図書館向けのシリーズの一冊です。
 シリーズは他に
  第1巻 日食・月食・オーロラ -太陽・地球・月の現象
  第3巻 台風・雷・虹     -地球の大気の現象
  第4巻 噴火・地震・津波  -活動する大地の現象
  第5巻 侵食・流氷・水の色 -水がつくる大地の現象
と、先生の専門分野である天文学に限らず、地学全般を扱った全5巻。
 大判の写真や図をふんだんに使い、いわゆる学習図鑑とはひと味違った視点から様々な現象を紹介しているのが特長です。「学習雑誌の特集ページを1冊にまとめた」といった方が分かりやすいでしょうか。理科好きにとっては堪えられないシリーズになっています。

 フルカラー48ページで3000円というのは、一般向けとしては割高な感じでしょうか。“図書館用図書”ということなので発行部数も多くはなさそうですし、仕方ないのかな。一般店頭に並ぶのかどうかは定かではありませんが、お子さんの学校であるとか、地域の図書館で・・・見られるといいですね。今度図書館に行ってみようっと。(多くのオンラインショップで購入可能~ほとんどが「取り寄せ」か?~です)

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 何故そんな本を紹介しているのかというと・・・私が撮った写真が掲載されているからだったりします。昨年秋に使用許可を求める連絡があり、このたび完成本を頂戴した次第。潤一先生の監修だということは、この本を手にして初めて知りました。
 かつて先生に気に入っていただけた写真がその本に掲載され、嬉しさ倍増です。どんな写真か興味のある方は、探してみて下さい。ほんの片隅に載ってるだけですが。

 こういう本って、学校とか公民館の図書コーナーなんかに並んでたりするんですよね。古いものは背表紙や綴じ代がボロボロになったりして。そんなふうに長く愛用される本になると嬉しいですね。

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2008年7月21日 (月)

『なぜ、めい王星はわくせいじゃないの?』/布施哲治

 副題は「科学の進歩は宇宙の当たり前をかえていく」。国立天文台ハワイ観測所の布施哲治さんによる、この夏の小学校高学年向けの課題図書です。

 2006年夏のIAU総会での惑星定義決議を受けて、惑星ではなく「準惑星」という新たなカテゴリーの代表として位置することとなった冥王星について、その経緯をやさしく解説してくれた図書です。 腰帯に、この本の各章の目次が書かれていますので、紹介しましょう。

  • 第1章 めい王星になにが起きた?
  • 第2章 人間が考える宇宙のすがたの変化
  • 第3章 惑星「てん・かい・めい」の発見
  • 第4章 太陽系のさらに遠くにある天体
  • 第5章 めい王星、危うし!
  • 第6章 惑星はふえる? へる?
  • 第7章 これからの研究と科学の進歩

 前半(第3章まで)、冥王星が発見されるまでの歴史、宇宙観を紐解き、第4章では太陽系が冥王星よりもさらに遠く広がっている可能性を示します。第5章以下、惑星の定義を見直す必要が出てきたことを解説し、6章末で2006年の惑星定義の経過と決議の内容について簡潔にまとめてあります。

 最後の第7章はたった2節、5ページ少々のみじかい部分ですが、「それまで事実だと思っていたことがそうではなくなる・変わっていくことは、より本当のことに近付いている、知識がより深まっているということであり、それが『科学の進歩』なのだ」(注:意訳のつもり)と力強く語り、この本を締めくくっています。

 「科学とは常識を疑うこと」とよく言いますが(たぶん)、2006年の騒動は、人間が勝手に思い込んでいた常識に、新たな科学技術が一石を投じた良い例の一つなのだと思います。常識を当然のこととは考えず、常に疑問や不思議をもって接すること。それがきっと、正しい科学のあり方~真理を求める真摯な姿勢~なんでしょうね。そんなことを、この本に接する子供たちには感じて欲しいものです。 さらには。

 先の決議報道に際し、科学的な側面を蔑ろにして(きっと不勉強だったんだろう)「(どこかとある国の)権威の失墜だ」なんて飄々と口にしたような報道関係者は、これを読んで一度勉強して欲しい。

 そんな一冊です。

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2006年4月11日 (火)

『新 星座巡礼』/野尻抱影

大正14年に刊行された『星座巡礼』を、30年の後に自ら加筆・再編した書(角川文庫1957年)で、2002年に中公文庫から発行されたもの。一部改稿とはいえ戦後まもなくのデータのため、現在のそれとは合致しないところも多いが、そんな仔細はともかくとして、夜空の美しさを事細かに描いた案内書としてこれほどの名著はないのではないか。自分が星に興味を持ったときに多く読んだのは藤井旭氏の著書で、最近ではさらに若手の著者も多いが、それらでさえも下敷きには野尻氏の著書群があったはずだ。

『新 星座巡礼』は月毎に見えるおもな星座を紹介したもので、星座の成り立ちや構成、見所をじつに簡潔にまとめている。その記述は他の著書群同様に彩り豊かで、まさに星星が天界の宝玉であることを彷彿とさせる。夜空の興味を持ってからいつの間にかお気楽流星観望に傾倒した身だが、この本を読むと俄かに望遠鏡を持ち出したくなる。そんな魅力を秘めた一冊なのだ。

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